2013-01-01から1年間の記事一覧

梁理論 その2

FEM

前回の"Bernoulli-Eulerの梁理論"では,"せん断変形をしない"という強い制約を前提としました 今回はこの制約を少し緩めて,一次のせん断変形を許容する場合の梁理論を考えます beam theory2.wxm 微小歪テンソルELについては前回と同様のため説明を割愛しま…

梁理論 その1

FEM

今回は梁理論(beam theory)のお話です 今までは割と何の説明もなく梁理論を使ってきましたが,ある程度説明に使える材料が揃ってきた感じなのでここで簡単に触れておきます beam theory1.wxm x : 現時刻における物質点の位置ベクトル X : ある基準時刻にお…

数値微分 その3

前回は1回微分近似を扱いましたが,今回は2回微分近似公式を確認してみます やってることはほとんど同じですが・・・ num_differential3.wxm f(x) : 評価関数 h : 摂動(≠0) 今f(x)をx0点周りで4次の項までテイラー展開します(%o1) 上式をx = x0 + hとして…

数値微分 その2

前回の差分公式より精度が高い3点近似公式を確認してみます num_differential2.wxm f(x) : 評価関数 h : 摂動(≠0) 今f(x)をx0点周りで3次の項までテイラー展開します(%o1) 上式をx = x0 + hとして%o2式にまとめます 同様に,x = x0 + 2*hとして%o3式にま…

数値微分 その1

前回の数値積分からの流れで,今回は数値微分(Numerical differentiation)のお話です 数値微分は解析的に微分することが難しい問題を近似的に解くための大変便利な手法ですヽ( ´ー`)ノ 微分方程式の数値解法も広義の意味で数値微分に含まれます 今回は数値…

Gauss積分 その2

前回計算したサンプリング点位置と重み値を使って実際にGauss積分を計算してみます gauss quadrature2.wxm n : サンプリング点の数 x[n][i], w[n][i] : i番目サンプリング点の位置と重み値 Gauss積分の計算式を%o1式に示します 上式から判る様に,数値積分の…

Gauss積分 その1

今回はGauss積分のサンプリング点の位置と重み値を計算してみます ここで言うGauss積分は数値積分のことで,Gauss関数exp(-x^2)の無限積分のことではありません(´・ω・`) 積分区間は写像されることを前提として自然座標系-1〜1とします 久田俊明,野口裕久…

Newton-Cotes積分 その2

前回計算した重み値を使って実際にNewton-Cotes積分を計算してみます newton-cotes2.wxm n : サンプリング点の数 l : 積分区間長さ x[i], w[n][i] : i番目サンプリング点の位置と重み値 Newton-Cotes積分の計算式を%o1式に示します 上式から判る様に,数値積…

Newton-Cotes積分 その1

数値積分は解析的に積分することが難しい問題を近似的に解くための大変便利な手法ですヽ( ´ー`)ノ 有限要素法でも剛性マトリックスや等価節点力ベクトルの作成などで多用されます 以前モンテカルロ法で扱った解法も広義の意味で数値積分になります 今回はNew…

Trescaの降伏条件 その2

前回に引き続き,限定された応力状態におけるTrescaの降伏条件について考えます tresca2.wxm (%i1)固有値問題を解く関数を使用するための宣言です(画面出力は省略) (%i2)陰関数のプロットのためにパッケージ"implicit_plot"をロードします(画面出力は省略…

Trescaの降伏条件とTresca応力

以前"Misesの降伏条件"について触れましたが,今回はトレスカ(Tresca)の降伏条件についてお話します 以下,Trescaの降伏条件とTresca応力の導出を示します tresca1.wxm Ts : 応力テンソル (%i1)固有値問題を解く関数を使用するための宣言です(画面出力は…

オイラーの公式

前回に引き続き,オイラーの公式のお話です euler's formula.wxm i : 虚数単位 今回はexp(i*x)について考えます(%o1) これを(12次まで)マクローリン展開すると%o2式となります ここで,sin(x), cos(x)についても同様に(12次まで)それぞれマクローリン展…

ネイピア数

以前友人とお酒の席でオイラーの公式やネイピア数は何がすごいのか?という話が出たのでここで触れてみますヽ( ´ー`)ノ ネイピア数は自然対数の底(base of natural logarithm)として扱われます napier.wxm fpprecは多倍長浮動小数点の有効桁数で,ここで64…

主不変量 その2

降伏条件や構成式等で主不変量を使いましたが,これってホントに不変なの?というのが今回のお話です 任意の剛体回転に対してテンソルの主不変量が変化しないのか実際に確認してみます(´-`).。oO principal invariant2.wxm %i1はトレースを計算する関数を使…

Cayley-Hamiltonの定理

単純せん断変形の構成式 その1でCayley-Hamiltonの定理を使用しました この定理は任意の正方行列について成り立ちますが,3x3の正方行列について確認してみます cayley-hamilton.wxm n : 行列のサイズ %i1は特性方程式を計算する関数を使うための宣言です(…

弾性マトリックス

構成式のお話が出たついでといっては何ですが,ここで弾性マトリックスについて触れておきたいと思います 応力-歪関係式は一般的に81個の成分を持つ4階のテンソルDを用いて次の形で表されます T[i,j] = D[i,j,k,l].E[k,l] (i, j, k, l はそれぞれ1〜3) 2階…

単純せん断変形の構成式 その2

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」156頁の例題【5.19】です単純せん断変形問題において変形が微小( u ch5-4_5-19.wxm I : 単位テンソル F : 変形勾配テンソル B : 左Cauchy-Green変形テンソル %i1はトレースを計算する関数を使うた…

単純せん断変形の構成式 その1

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」155頁の例題【5.18】です 等方性弾性体が単純せん断変形を受ける問題において応力Tを変位uを用いて表せ,というものです ch5-4_5-18.wxm F : 変形勾配テンソル B : 左Cauchy-Green変形テンソル %i1…

フックの法則

今回は構成式(構成則とも)(constitutive equation)のお話です いわゆる応力‐歪関係式のことで,線形等方性弾性体の構成式を特にフックの法則(Hooke's law)と呼びます すごく材料力学です・・・ 今回はフック則の垂直応力-垂直歪関係を確認してみます h…

換算質量

「ランダウ=リフシッツ物理学小教程 力学・場の理論」51頁の§11."換算質量"をフォローします 相互作用する二つの質点からなる系の運動(二体問題)を,慣性中心を原点として中心対称な外場Uの中で運動する質量mの一質点の運動と見做すことができます このm…

テンソルの客観性の有無

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」141頁の例題【5.5】です 2つの基準枠 O*, O は時刻t0で一致し,O は時刻tで O* に対し Q(t) だけ回転しています 両基準枠から,運動するある物質点の変形勾配 F*, F を観測した場合 F* = Q.F とな…

右極分解の唯一性

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」70頁の例題【2.8】です 右極分解の唯一性を, 仮に F = R'.U' と置いて,U' = U および R' = R となることより示せ,というものですch2-4_2-8.wxm F : 変形勾配テンソル U : 右ストレッチテンソル R…

落体の運動 その5

空気抵抗を考慮した落体の運動方程式を得るために以下の手順を踏みました 通常のラグランジアンを,抵抗を含んだオイラー・ラグランジュ方程式に代入(その3) 通常のハミルトニアンを,抵抗を含んだハミルトンの正準方程式に代入(その4) 今回は,通常のオ…

落体の運動 その4

前回に続き,落体の運動 その3と同じ空気抵抗を考慮した落体の運動のハミルトニアンを考えます falling body4.wxm x, v, p : それぞれ位置,速度,運動量ベクトル g, m, a : 重力加速度,物体の質量および抵抗係数 %o5で,x, v, p が時間 t に依存することを…

落体の運動 その3

前回に続き,今回は空気抵抗(drag)を考慮した落体の運動を考えます ここで空気抵抗は速度依存型とし,抵抗の大きさを示す定数を a とします falling body3.wxm x, v : 位置ベクトルと速度ベクトル g, m, a : 重力加速度,物体の質量および抵抗係数 %o3で,…

落体の運動 その2

前回に続き,落体の運動 その1と同じ落体の運動のハミルトニアンを考えます falling body2.wxm x, v, p : それぞれ位置,速度,運動量ベクトル g, m : 重力加速度と物体の質量 %o5で,x, v, p が時間 t に依存することを宣言します(画面出力は省略) 運動エ…

落体の運動 その1

一様重力下での自由落下運動,いわゆる落体の運動です 物体を斜め上に放り投げる平面問題を考えます・・・高校物理で御馴染みのヤツですねヽ( ´ー`)ノfalling body1.wxm x, v : 位置ベクトルと速度ベクトル g, m : 重力加速度と物体の質量 %o3で,x と v が…