右極分解の唯一性

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」70頁の例題【2.8】です
右極分解の唯一性を, 仮に
F = R'.U'
と置いて,U' = U および R' = R となることより示せ,というものです

ch2-4_2-8.wxm

F : 変形勾配テンソル
U : 右ストレッチテンソル
R : 剛体回転
成分計算はしないのでシンボリックな操作のみとします(´・ω・`)
maximaでシンボルに対する"."は非可換積, "^^"は非可換積の羃(べき)を表します
%i1は'付きの変数名を使うための宣言です
仮定を%o2式に示します
上式のFをふつーに右極分解します(%o3)
両辺の転置をとります(%o4)
U および U' が対称テンソルであることより%o5式を得ます



%o3式と%o5式の両辺同士のdot積を%o6式に示します
R および R' が直交テンソルであることより%o7式を得ます
よって%o8式を得ます
上式を%o3式に代入します(%o9)
よって%o10式を得ます


ということで, %o8式および%o10式より右極分解の唯一性が示されました


非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎

非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎