単純せん断変形の構成式 その1

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」155頁の例題【5.18】です
等方性弾性体が単純せん断変形を受ける問題において応力Tを変位uを用いて表せ,というものです
ch5-4_5-18.wxm

F : 変形勾配テンソル
B : 左Cauchy-Green変形テンソル
%i1はトレースを計算する関数を使うための宣言です(主不変量を参照ください)
単位長さの立方体頂部がe[1]軸方向にuの単純せん断変形を与えるFを%o2式に示します
Bの定義より計算した結果を%o3式に示します



ξiをBの主不変量で表すと%o4〜%o6式となります



Bの1次,2次,3次の主不変量をそれぞれ%o7〜%o9式に示します



I : 単位テンソル
Cayley-Hamiltonの定理より,応力テンソルTは%o10式で表されます
成分表示すると%o11式となります
上式に%o4〜%o6式を代入してまとめた結果を%o12式に示します
uの3次以上の項を無視すると%o13式を得ます


これより,せん断応力成分T12,T21に変位uの線形な値に加えて,垂直応力成分T11,T22,T33に非線形な値が生じることが解ります


非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎

非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎