その他

ABC予想

今回はABC予想(abc conjecture)のお話です 2012年8月30日,京都大学の望月新一教授がABC予想を証明したとする論文を公開されました この論文はABC予想の解決に宇宙際タイヒミュラー理論(IUT理論)が用いられており,今現在も査読中です 氏のblog”新一の「…

巡回群

以前群論について群 その1や群 その2で簡単に触れましたが,今回は巡回群(cyclic group)について触れてみたいとおもいます 方程式 x^n = 1 の解を複素平面上にプロットすると正n角形が作図されます (これは正17角形の作図可能性で扱ったのと全く同じ内容…

吊荷重

久し振りの更新です(・ω・) 今回は吊荷重(Lifting Load)について簡単に説明しますlifting load.wxm N : ワイヤー本数 M : 吊荷重量(kg) ベクトル同士の外積と,ベクトルのnormを返す関数を%o4, %o5式でそれぞれ定義します(画面出力は省略) ワイヤー8本…

ルジャンドル多項式

今回はルジャンドル多項式(Legendre polynomial)のお話です ルジャンドルの微分方程式の一般解に対して”λが非負整数かつ[1, 1]に確定点を持つ”という条件を課すことで与えられます Gauss積分の所でこの多項式を内挿関数に使っていますね legendre.wxm n次…

佐藤・テイト予想

以前に谷山・志村予想のお話をした流れで,今回は佐藤・テイト予想(Sato–Tate conjecture)について触れておきたいと思います この予想もRichard Taylorらによって既に証明されています ここでは,難波完爾氏のテキストにある例題をフォローしてみます sato-t…

群 その2

前回に引き続いて群のお話です 構造力学に関係のありそうな具体的な演算について,群の定義を満足するかどうかをmaximaで確認してみますgroup2.wxm ベクトルの平衡移動について考えます 平面上のベクトルaの成分を%o1式で定義します(3番目の成分の"1"はダミ…

群 その1

今回は群(group)のお話です 集合Gの元g, h, kに対しての二項演算"・"を考えた時,以下の4つの条件を満たす場合に"群"を成すと言います 演算に関して集合が閉じている → g・h∈G 結合法則が成り立つ → g・(h・k) = (g・h)・k 単位元 e が存在する → g・e = e・…

フェルマーの最終定理のニアミス解

以前谷山・志村予想の所で"フェルマーの最終定理"について触れましたが,今日はそのニアミス解についてのお話です サイモンシン著・青木薫訳 数学者たちの楽園 "第3章 ホーマーの最終定理"をフォローします アニメ「ザ・シンプソンズ」≪エバーグリーン・テラ…

せん断流理論 その2

前回せん断流理論を使ってI型鋼断面のせん断応力分布を計算しましたが,梁断面のせん断応力分布 その2とは値が若干異なりました これはフランジ両端から中央に向かってせん断流を仮定したことに拠ります 今回はフランジも幅の広いウェブと見なし,上端から下…

せん断流理論 その1

以前梁断面のせん断応力分布 その2でI型鋼断面のせん断応力分布を計算しましたが,軸応力の増分に対する釣合い条件を解くという面倒なものでした 今回は"せん断流(shear flow)"を用いた,より簡便な方法でこれを解いてみたいと思います 流体力学で扱われる…

谷山・志村予想

今回も構造力学とはあまり関係ありませんが,谷山・志村予想(Taniyama–Shimura conjecture)のお話です この予想はAndrew WilesとRichard Taylorによって証明され,モジュラー性定理(modularity theorem)と呼ばれます 因みにこの予想が証明されたことによ…

ZIVAエンジン(チャージ済み)の答え

今回は構造力学とは全く何の関係もありませんが,ZIVAエンジン(チャージ済み)の答えを計算するコードのお話です これはDestinyというゲーム中に出てくる計算パズル問題の一つです(英語表記では"SIVA ENGINE") 計算方法 最初の数字から足したり引いたり倍…

ラグランジュ補間

前回の1次元要素の形状関数でLagrange族のお話が出ましたが,今回はこれを確認してみます lagrange polynomial.wxm N : 節点数 r1 : 自然座標系 %o1にてパッケージ"interpol"をロードします(画面出力は省略) Nに2を代入します(%o2) 自然座標系における節点…

正17角形の作図可能性

数理科学No.622, 04/2015 21頁にガウスの"正17角形の作図可能性"のお話が出ていましたのでこれをフォローしたいと思います 方程式 x^n = 1 の解を複素平面上にプロットすると正n角形が作図されますregular polygon.wxm いま n に17を代入します(%o1)(画面…

数値微分 その3

前回は1回微分近似を扱いましたが,今回は2回微分近似公式を確認してみます やってることはほとんど同じですが・・・ num_differential3.wxm f(x) : 評価関数 h : 摂動(≠0) 今f(x)をx0点周りで4次の項までテイラー展開します(%o1) 上式をx = x0 + hとして…

数値微分 その2

前回の差分公式より精度が高い3点近似公式を確認してみます num_differential2.wxm f(x) : 評価関数 h : 摂動(≠0) 今f(x)をx0点周りで3次の項までテイラー展開します(%o1) 上式をx = x0 + hとして%o2式にまとめます 同様に,x = x0 + 2*hとして%o3式にま…

数値微分 その1

前回の数値積分からの流れで,今回は数値微分(Numerical differentiation)のお話です 数値微分は解析的に微分することが難しい問題を近似的に解くための大変便利な手法ですヽ( ´ー`)ノ 微分方程式の数値解法も広義の意味で数値微分に含まれます 今回は数値…

Gauss積分 その2

前回計算したサンプリング点位置と重み値を使って実際にGauss積分を計算してみます gauss quadrature2.wxm n : サンプリング点の数 x[n][i], w[n][i] : i番目サンプリング点の位置と重み値 Gauss積分の計算式を%o1式に示します 上式から判る様に,数値積分の…

Gauss積分 その1

今回はGauss積分のサンプリング点の位置と重み値を計算してみます ここで言うGauss積分は数値積分のことで,Gauss関数exp(-x^2)の無限積分のことではありません(´・ω・`) 積分区間は写像されることを前提として自然座標系-1〜1とします 久田俊明,野口裕久…

Newton-Cotes積分 その2

前回計算した重み値を使って実際にNewton-Cotes積分を計算してみます newton-cotes2.wxm n : サンプリング点の数 l : 積分区間長さ x[i], w[n][i] : i番目サンプリング点の位置と重み値 Newton-Cotes積分の計算式を%o1式に示します 上式から判る様に,数値積…

Newton-Cotes積分 その1

数値積分は解析的に積分することが難しい問題を近似的に解くための大変便利な手法ですヽ( ´ー`)ノ 有限要素法でも剛性マトリックスや等価節点力ベクトルの作成などで多用されます 以前モンテカルロ法で扱った解法も広義の意味で数値積分になります 今回はNew…

オイラーの公式

前回に引き続き,オイラーの公式のお話です euler's formula.wxm i : 虚数単位 今回はexp(i*x)について考えます(%o1) これを(12次まで)マクローリン展開すると%o2式となります ここで,sin(x), cos(x)についても同様に(12次まで)それぞれマクローリン展…

ネイピア数

以前友人とお酒の席でオイラーの公式やネイピア数は何がすごいのか?という話が出たのでここで触れてみますヽ( ´ー`)ノ ネイピア数は自然対数の底(base of natural logarithm)として扱われます napier.wxm fpprecは多倍長浮動小数点の有効桁数で,ここで64…

AutoCADでビューを連続印刷する【pscrg】

AutoCADは非常に有名な2D-CADなので,国内でも使っている方は多いと思います ただこのCADは標準で複数のビューの連続印刷に対応していません('A`) そのため連続印刷を行うアドインやツールが多数公開されていますが,使い易いものはなかなか少ないように思…

ブログのタイトル

ブログタイトルが長らく仮称扱いでしたが,”Maximaでこうぞうりきがく”に決まりました('A`)

モンテカルロ法

今回は前回使いはしたが説明はしなかったモンテカルロ法(Monte Carlo method)のお話です モンテカルロ法は乱数を使った数値計算等の総称です 今回はモンテカルロ法を用いた円周率の計算例を示します monte carlo.wxm 半径rの1/4円が収まる正方形を考えます…

モンティ・ホール問題

前回の重複組み合わせの流れで,今回はモンティ・ホール問題(Monty Hall problem)について触れたいと思います モンティ・ホール問題自体についてはWikipedia等で詳しく解説されています 3つのドア (A, B, C) に(景品, ヤギ, ヤギ)がランダムに入っている…

重複組合せ

以前友人から重複組合せ(repeated combination)の質問を受けたので今回はそのお話です あんまり構造力学と関係ないかもですが・・・(´・ω・`) まずは重複を持たないフツーの順列・組合せについて combination.wxm %o1にてパッケージ"functs"をロードしま…

媒介変数表示

媒介変数表示のお話です(・ω・) 前回扱った曲面のいくつかを媒介変数(parameter)を使って表現してみたいと思います またwxMaximaには媒介変数表示でグラフを描画する機能もありますのでこれも使ってみます parametric_plot.wxm 【球】 u, v : 媒介変数 %…

曲率と曲率半径 その6

曲率の話が続きます・・・('A`) 今回はいくつかの曲面に関して平均曲率を計算してみます curvature5.wxm 平均曲率Hの算式を%o1式に示します(導出については曲率と曲率半径 その3を参照下さい) 【球】 半径rの球の方程式を%o3式に示します 上式をzについて…