前回に引き続き,オイラーの公式のお話です
euler's formula.wxm
i : 虚数単位
今回はexp(i*x)について考えます(%o1)
これを(12次まで)マクローリン展開すると%o2式となります
ここで,sin(x), cos(x)についても同様に(12次まで)それぞれマクローリン展開してみます(%o3, %o4)
%o2〜%o4式を眺めてみると,%o2 = i*%o3 + %o4の関係が成り立つことが解ります(%o5)
ということで,%o6式をオイラーの公式(Euler's formula)と呼びます
exp(i*x)の実部reと虚部imがそれぞれcos(x)とsin(x)に相当します
実際にreとimを計算した結果を%o7, %o8式に示します
複素平面上の原点からの距離を計算すると1一定となります(%o9)
これより%o6式の幾何学的な解釈として"exp(i*x)は複素平面の単位円円周上のx[rad]を成す点に等しい"ことになります
調和振動を複素平面上の回転運動の投影と考えることで,振動応答の計算を簡潔に扱うことができます
%o6式の特別な場合(x = π)とした%o10式をオイラーの等式(Euler's identity)と呼びます
%o10式の幾何学的な解釈として,%o2式を x = π とした場合を考えます
このn次に対応する項は%o11式で与えられます
exp(i*π)はこれを無限に総和したものに相当しますが,これを12次まで加算していった時の収束状況を%t13にプロットします
複素平面上で [1, 0] から出発し,螺旋を描きながら [-1, 0] へ急速に収束していくのが解ります