Trescaの降伏条件とTresca応力

以前"Misesの降伏条件"について触れましたが,今回はトレスカ(Tresca)の降伏条件についてお話します
以下,Trescaの降伏条件とTresca応力の導出を示します
tresca1.wxm
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20130731/20130731202230.png
Ts : 応力テンソル
(%i1)固有値問題を解く関数を使用するための宣言です(画面出力は省略)
いま%o3式に示すような応力テンソルに対して,平面応力状態を仮定します(%o4)
この平面応力テンソル固有値(と重複度をまとめたリスト)を計算した結果を%o5式に示します



主応力テンソルを%o6式に示します



σt : Tresca応力
σY : 降伏応力
"最大せん断応力がせん断限界相当分に達すると降伏する"と主張するのがTrescaの降伏条件です
これより,相当応力として%o7式が求まります
降伏条件は%o8式で与えられます



せん断応力成分を0とするとTs, 主応力, σtはそれぞれ%o9〜11式となります
%o11式より,静水圧が作用する場合(T11 = T22 = T33)にはTresca応力は0となり,降伏しないことが判ります



垂直応力成分T11とせん断応力成分T12以外を0とするとTs, 主応力, σtはそれぞれ%o12〜14式となります



垂直応力成分T11以外すべて0とするとTs, 主応力, σtはそれぞれ%o15〜17式となります
Tresca応力はT11と等しく,T11がσYに達した時点で降伏することになります
当たり前ですが単軸引張試験の結果と整合します