FreeCADで片持ち梁の計算(固有振動数)

今回はFreeCADでモデル化した片持ち梁の固有値解析例を紹介します

片持ち梁のモデルはFreeCADで片持ち梁の計算(静的応力解析)と全く同様です

まずは梁理論を使って1次振動モードの固有振動数を計算します
frequency_cantilever3.wxm

片持ち梁の1次の固有振動数の算式を%o1に示します(式の導出については"片持ち梁の固有振動数 その2"を参照ください)
単位体積重量γと単位体積質量ρの関係式を%o2に示します
上式で%o1式を書き直した結果を%o3に示します



断面積Aの計算式を%o4に示します
断面2次モーメントIの計算式を%o5に示します


【弱軸方向】

形状寸法 B=100 mm,D=50 mm,L=1,000 mm,ヤング率E=210,000 N/mm2,単位体積質量ρ=7.8*10^-9 ton/mm3 をそれぞれ代入します(画面出力は省略)
断面積Aを計算した結果を%o11に示します(単位はmm4)
断面2次モーメントIを計算した結果を%o12に示します(単位はmm4)
弱軸方向の1次振動モードの固有振動数Nを計算した結果を%o13に示します(単位はHz)


【強軸方向】

断面幅Bと断面深さDの値を入れ替えます(画面出力は省略)
断面2次モーメントIを計算した結果を%o16に示します(単位はmm4)
強軸方向の1次振動モードの固有振動数Nを計算した結果を%o17に示します(単位はHz)


FreeCADのFEMワークベンチによる固有値解析結果
メッシングにはGmsh,ソルバーにはCalculiXを使用しています

2Dのサーフェースモデル(beam_2d.FCStd)

変位量プロット(変位分布が振動モードを表しますが,大きさに意味はありません)
1次の固有振動数 42.03 Hz*
2次の固有振動数 83.37 Hz
※サーフェースモデルにElementGeometry2Dで板厚情報を付与していますので面外弱軸方向の固有振動数もちゃんと計算してくれます(*´ω`*)


3Dのソリッドモデル(beam_3d.FCStd)

変位量プロット(変位分布が振動モードを表しますが,大きさに意味はありません)
1次の固有振動数 42.04 Hz


変位量プロット(変位分布が振動モードを表しますが,大きさに意味はありません)
2次の固有振動数 83.45 Hz


ということで,FreeCADによる片持ち梁の固有値解析例を紹介しました