前回の重複組み合わせの流れで,今回はモンティ・ホール問題(Monty Hall problem)について触れたいと思います
モンティ・ホール問題自体についてはWikipedia等で詳しく解説されています
- 3つのドア (A, B, C) に(景品, ヤギ, ヤギ)がランダムに入っている
- プレイヤーはドアを1つ選ぶ
- モンティは残りのドアのうち1つを必ず開ける
- モンティの開けるドアは,必ずヤギの入っているドアである
- モンティはプレーヤーにドアを選び直してよいと必ず言う
選んだドアを変更するべきか?という問題です
monty hall.wxm
ドアの数 n に 3 を代入します(%o1)
ドアを変更しないとした場合,景品が当たる確率p1を%o3式に示します
ドアを変更するとした場合の,景品が当たる確率p2を%o5式に示します
以上よりp2はp1の2倍となるため,”選んだドアを変更するべき”となります
(この場合,選択はドアを変更するかしないかのどちらかなので両方の確率の和は 1 になります)
N : 試行回数
N1 : ドアを変更しないとした場合の勝ち数
N2 : ドアを変更するとした場合の勝ち数
試行回数を100回として,具体的に勝ち数を数えてみます
ここでrandom関数は引数に3を渡すと 0, 1, 2 の3つの整数の一つをランダムに返します
ちなみに"0"が景品のドアを示すこととします
横軸にN, 縦軸に勝ち数として,ドアを変更しない場合を青点,変更する場合を赤点でそれぞれ%t11にプロットします
変更した場合はしない場合のおよそ2倍の勾配(確率に相当)となるのが解ります
モンテカルロ法(Monte Carlo method)を用いてそれぞれの確率p1, p2を計算してみます
試行回数を1000000回として,N1及びN2をそれぞれカウントします(画面出力は省略)
N, N1, N2より計算したp1, p2の近似値をそれぞれ%o17, 18式に示します
p1とp2の和はほぼ 1 となります(%o19)
【ドアの数が3でない場合の確率】
n : ドアの数
別ルールとして”モンティが残りのドアのうち1つを残してすべて開ける”とした場合,ドアを変更して景品が当たる確率p3は%o20式で与えられます
横軸(対数軸)にn,縦軸に確率としてp1〜p3を青線,赤線,紫線でそれぞれ%t22にプロットします
- n > 3 の場合ドアを変更した際にも残ったドアの選択肢が生じるため,p1とp2の和は 1 にはなりません
- n が大きくなるとp1とp2の差は小さくなりますが,p1 < p2は成り立つのでやはり”選んだドアを変更するべき”となります
- p2が1より小さい値となるには,n ≧ 3 である必要があります
- 別ルールでは残ったドアの選択肢が生じないため,p1とp3の和は常に 1 となります
- n = 2 の場合,p1とp3は単純な"二者択一"を表します
- n = 3 の場合,p2とp3は同じ操作を意味し,同じ確率を与えることが解ります