群 その2
前回に引き続いて群のお話です
構造力学に関係のありそうな具体的な演算について,群の定義を満足するかどうかをmaximaで確認してみます
group2.wxm
ベクトルの平衡移動について考えます
平面上のベクトルaの成分を%o1式で定義します(3番目の成分の"1"はダミーです)
e1方向にΔ1,e2方向にΔ2だけ平衡移動させる線形変換Pを%o2式で定義します
P.a はベクトルなので閉じています(%o3)
結合法則が成り立ちます(%o4)
単位元(単位行列 I)が存在します(%o5, 6)
逆元(P^-1)が存在します(%o7, 8)
ここで,P^-1はPの反対方向への平衡移動に相当します
ということで,ベクトルの平衡移動は群を成します
ベクトルの鏡像反転について考えます
ベクトルaの成分を%o9式で定義します
e2-e3平面に対して鏡像反転させる線形変換Mを%o10式で定義します
M.a はベクトルなので閉じています(%o11)
結合法則が成り立ちます(%o12)
単位元(単位行列 I)が存在します(%o13, 14)
逆元(M^-1)が存在します(%o15, 16)
ここで,M^-1はM自身であり,2回の操作で基に戻ることが分かります
ということで,ベクトルの鏡像反転は群を成します
ベクトルの回転変換について考えます
e3軸周りにθ[rad]だけ回転させる線形変換Rを%o17式で定義します
R.a はベクトルなので閉じています(%o18)
結合法則が成り立ちます(%o19)
単位元(単位行列 I)が存在します(%o20, 21)
逆元(R^-1)が存在します(%o22, 23)
ここで,R^-1はRの逆周り-θ[rad]の回転変換に相当します
ということで,ベクトルの回転変換は群を成します
- 作者: クロードシュヴァレー,Claude Chevalley,齋藤正彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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