前回せん断流理論を使ってI型鋼断面のせん断応力分布を計算しましたが,梁断面のせん断応力分布 その2とは値が若干異なりました
これはフランジ両端から中央に向かってせん断流を仮定したことに拠ります
今回はフランジも幅の広いウェブと見なし,上端から下端に向かって一方向のせん断流を仮定して計算してみます
shear flow2.wxm
z : 図心からの深さ
B : フランジの幅
V : 断面に作用するせん断力
Q, I : 図心まわりの断面1次・2次モーメント
τs1 : 上部フランジのせん断応力
上部フランジに対してt*zの積分計算を行った結果をQとして%o3式に示します
自由端からのせん断応力分布を計算した結果をτs1として%o4式に示します
t1 : ウェブの板厚
τs2 : ウェブのせん断応力
上部フランジの下端におけるせん断流を q1 として%o7式に示します
ウェブに対して積分計算を行った結果を%o8式に示します
ウェブの上端にq1が流れこむことに留意してせん断応力分布を計算した結果をτs2として%o9式に示します
τs3 : 下部フランジのせん断応力
ウェブの下端におけるせん断流を q2 として%o12式に示します
下部フランジに対してt*zの積分計算を行った結果をQとして%o13式に示します
下部フランジの上端にq2が流れこむことに留意してせん断応力分布を計算した結果をτs3として%o14式に示します
せん断応力τs2が最大となる位置を求めます(%o15)
τの最大値τmaxを求めます(%o16)
Vをウェブ断面積Awで除したものを平均せん断応力τmeanとして%o17式に示します
τmax/τmeanを%o18式に示します
これより断面の形状寸法(D, B, t1, t2, I)に依存することが解ります
梁断面のせん断応力分布 その2と同じ形状寸法を代入します(画面出力は省略)
τとτmeanを%t27にプロットします
(青線がτ,赤線がτmeanを表します)
τmax,τmean及びcの数値を%o28〜30式にそれぞれ示します
ということで,梁断面のせん断応力分布 その2と同一の分布となることが解ります