ヤコビ行列とヤコビアン その3

ヤコビ行列の話が出たついでといっては何ですが,ここで変形勾配テンソルについて再度触れておきます
変形勾配テンソルの定義は変形勾配テンソルと歪テンソルで示しましたが,これって思いっきりヤコビ行列なんですよねー(´-`).。oO
jacobian3.wxm

x : 現時刻における物質点の位置ベクトル
X : ある基準時刻における物質点の位置ベクトル
F : 変形勾配テンソル
%i3で,xがXに依存することを宣言します(画面出力は省略)
変形勾配テンソルの定義より,jacobian関数を使って求めたヤコビ行列を変形勾配テンソルFとして%o4式に示します



u : ある基準時刻から現時刻までの変位ベクトル( u = x - X )
%o6で,uがXに依存することを宣言します(画面出力は省略)
変位ベクトルで変形勾配テンソルFを書き直します(%o7)


http://f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20140920/20140920000655.png
E : Green-Lagrange歪テンソル
EL : 微小歪テンソル(infinitesimal strain tensor)
変形勾配テンソルからGreen-Lanrange歪テンソルを計算したものが%o8式です
微小変形( u/X << 1 )が成り立つとして2次の項を無視したものが%o10式です
ELは線形理論で扱うオーソドックスな歪テンソルです
材料力学や構造力学でお馴染みのヤツですねヽ( ´ー`)ノ


またdet(F)が体積変化率の意味を持つという話も,変形前後のヤコビアンと見れば自明となります