相対性理論 その1

CERNの長基線ニュートリノ振動実験でなにかと話題の相対性理論のお話です
内山龍雄訳・解説「相対性理論」(岩波文庫)117頁の解説をフォローします
内容はアインシュタインの最初の論文"Zur Elektrodynamik bewegter Körper"の運動学の部§2."長さと時間の相対性"になります
原論文の英訳がfourmilabにありますので参考まで
(入力行頭の式番号はテキストに合わせています)
special relativity1.wxm

c : 真空中の光の速度
v : K系とK'系との相対速度
%o1にて特定の'及び.を文字列として宣言します
%o2では数式内でのcとvの表記順序を指定します
K系の時計と時計Aのテンポを比較するためaという量を考えます(%o3)
K系の時刻が0のとき,Aの針も0となるので%o4式が成り立ちます
K'系から見たとき光がBに達した瞬間,時計AはA0A2の真ん中の点Mにいたので%o5式が成り立ちます
時計Aが点A1において示す時刻t'1と,Mにおける時刻(t'2)/2の間には%o6式が成り立ちます
ここで%o5式をt'2について解いた解を用いて%o6式を書き換えたものを%o7式として示します



K系の時間がt1だけ進む間に,光はc*t1進む(図4のA0Dに相当)ことから%o8式が成り立ちます
Bで反射された光については%o9式が成り立ちます
%o8,%o9式から%o10,%o11式が成り立ちます
%o10,%o11式それぞれの左辺・右辺同士を足し合わせると%o12式を得ます
これを書き直したものを%o13式として示します



A1における時計Aの示す時刻t'1は%o4式より%o14式で表されます
これを%o10式で書き直したものを%o15式として示します
同様に,Mにおける時計Aの時刻(t'2)/2は%o4式より%o16式で表されます
これを%o13式で書き直したものを%o17式として示します
既に%o5式で示したように,%o17式はB1において時計Bの示す時刻t'Bにも等しい
そこでA1Mの長さ(t'1-t'B)を%o5式で書き直したものを%o18式として示します
これに%o15,%o17式を代入すると%o19式を得ます


この式を見れば分るように,AとBの距離lが大きいほど時計Bの遅れは大きくなります


相対性理論 (岩波文庫)

相対性理論 (岩波文庫)