今回は節点自由度の縮約(Condensation)について説明したいと思います
上図のように梁の曲げ要素が二つ接続した構造を考えます
- 要素①の断面2次モーメントをI1、要素長さをr*Lとします
- 要素②の断面2次モーメントをI2、全体長さをLとします
- ヤング率はどちらの要素もEで共通とします
- 要素内で材料・形状ともに一定とします
1節点の自由度は鉛直方向変位vと回転角θの2つ
節点数は合わせて3つなので全自由度は 2 x 3 = 6 となります
condensation1.wxm
曲げ梁の要素剛性マトリックスを返す関数kを%o1式で定義します
要素節点変位ベクトルを返す関数uを%o2式で定義します
要素①及び②の節点力ベクトルを計算した結果を%o3, 4にそれぞれ示します
節点力を全て重ね合わせてUで係数を括りだしたものが全体剛性マトリックスKとなります(%o6)
これが縮約していない通常の(全自由度6x6の)全体剛性マトリックスです
Uc : 縮約する節点変位ベクトル(%o8)
節点2の自由度の縮約を行います
まずはK.Uを計算します(%o7)
節点2に対応する自由度は3番目と4番目の成分です
節点2には外力が作用しないとして釣合い方程式を立て,Ucについて解いた結果が%o9式となります
%o9式の解を用いてK.Uを計算し直したものが%o10式です
3番目と4番目の成分がちゃんと 0 になっていることがわかります
また1,2,5,6番目の成分から縮約した変位成分v2およびθ2が消えていることがわかります
Uから縮約される変位成分を除いた,節点1&3の節点変位ベクトルU13を%o11式に示します
式の簡単化のために無次元量Rを%o13式で定義します
残った節点力をU13で係数を括りだしたものが縮約された全体剛性マトリックスKcとなります(%o15)
(全自由度は 6 - 2 = 4 となり,4 x 4 のマトリックスとなります)
Kcに対して r = 1 と仮定すると,要素①の要素剛性マトリックスと一致します(%o16)
Kcに対して r = 0 と仮定すると,要素②の要素剛性マトリックスと一致します(%o17)
Kcに対して r = 1/2 と仮定すると,要素①と②が同じ長さ(L/2)で接続された場合の中間的な曲げ剛性を表します(%o18)