立方体の変形履歴 その1

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」107頁の例題【3.27】です
これは単位長さの立方体が以下の変形履歴

  1. 単純引張り(t = 0〜t1)
  2. 単純せん断(t = t1〜t2)
  3. 単純圧縮(t = t2〜t3)
  4. 単純せん断(t = t3〜t4)(2と逆)

を経た後に元の立方体に戻った時点でのR~(t).E[S](t).R~(t)^Tおよび A(t)を計算せよ,というものです
まずは各phaseにおけるF(t'), D(t'), R~(t')を計算してみます('A`)
ch3-2_3-27-1.wxm

F_0_t' : 0→t'の変形勾配テンソル
Lt' : 0→t'の速度勾配テンソル
Dt' : 0→t'の変形速度テンソル
R~_0_t' : t0→t'のWによる回転
phase1(t = 0〜t1, h' = 1〜h)ではe[2]軸方向に1→hまで単純引張り変形を受けます
このときのF0(t'), D(t'), R~0(t')をそれぞれ%o3, %o5, %o6式に示します(Lt'の出力は省略します)


F_t1_t' : t1→t'の変形勾配テンソル
F_01 : 0→t1の変形勾配テンソル
phase2(t = t1〜t2, u' = 0〜u)では頂部をe[1]軸方向に0→uまで単純せん断を受けます
このときのF1(t'), F0(t1)をそれぞれ%o7, %o8式に示します
F1(t'), F0(t1)より計算したF0(t'), D(t')をそれぞれ%o9, %o11式に示します


R~_t1_t' : t1→t'のWによる回転
R~_01 : 0→t1のWによる回転
このときのR~1(t')を%o12式に示します(ここで, R~0(t1)はI(単位テンソル)となります)
R~1(t'), Iより計算したR~0(t')を%o13式に示します


F_t2_t' : t2→t'の変形勾配テンソル
F_02 : 0→t2の変形勾配テンソル
phase3(t = t2〜t3, h' = h〜1)ではe[2]軸方向にh→1まで単純圧縮変形を受けます
このときのF2(t'), F0(t2)をそれぞれ%o14, %o15式に示します
F2(t'), F0(t2)より計算したF0(t'), D(t')をそれぞれ%o16, %o18式に示します


R~_02 : 0→t2のWによる回転
このときのR~0(t2)を%o19式に示します(ここで, R~2(t') = I)
I, R~0(t2)より計算したR~0(t')を%o20式に示します


F_t3_t' : t3→t'の変形勾配テンソル
F_03 : 0→t3の変形勾配テンソル
phase4(t = t3〜t4, u' = 0〜-u)では頂部をe[1]軸方向に(t=t3の配置を基準として)0→-uまで単純せん断を受けます
このときのF3(t'), F0(t3)をそれぞれ%o21, %o22式に示します
F3(t'), F0(t3)より計算したF0(t'), D(t')をそれぞれ%o23, %o25式に示します


R~_t3_t' : t3→t'のWによる回転
R~_03 : 0→t3のWによる回転
このときのR~3(t'), R~0(t3)をそれぞれ%o26, %o27式に示します
R~3(t'), R~0(t3)より計算したR~0(t')を%o28式に示します

非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎

非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎