振動する梁のたわみ関数 その3

以前,片持ち梁の固有振動数を求める際に一次モードの梁のたわみ関数を与えましたが
簡単な調和振動関数を前提としたもので精度はそれなりでした。
今回はもう少しちゃんと計算をしたら?というお話です


deflection_curve3.wxm

%i1にてパッケージ"newton1"をロードします(画面出力は省略)
newton1はニュートン法を利用するためのパッケージです(ニュートン法 その1を参照ください)
梁のたわみ関数y(x)を任意の調和振動関数(%o2)で仮定します
振動する梁のたわみ関数 その1に比べて係数CとDの項が増えてます



【片持ち梁】

片持ち梁の境界条件を指定します(係数が2つ増えたので境界条件も2つ増えてます)

  • x = 0 の位置の変位が 0 (%o3)
  • x = 0 の位置のたわみ角が 0 (%o4)
  • x = l の位置の曲率が 0 (%o5)
  • x = l の位置の3階微分が 0 (%o6)

上4式を未定係数A~Dに対しての連立方程式として,係数マトリックスを%o7式に示します
係数マトリックスの特異性より%o8式を得ます
この方程式を ω*l について解きたいのですが残念ながら陽には解けません
仕方ないのでニュートン法を使って求めた(1次の振動モードに対応する)数値解を%o9式に示します
1次以外の数値解を求めたい場合は初期値(x0 = 2)を別の値へ修正してください
余談ですがこの ω*l を固有値と呼びます



係数マトリックスと未定係数ベクトルの積を%o9式でまとめた結果が%o11式となります
上式の2~4成分を連立方程式としてB~Dについて解いた結果を%o12式に示します
この解で%o2式を書き直したものを%o13式に示します(Aは任意の振幅)



数値解を用いたたわみ関数y3は見た目でどんな曲線なのか全然分からないですね
比較のため振動する梁のたわみ関数 その1で求めたたわみ関数をy1として%o14式に示します
y1を赤線,y3を青線で%t15にプロットします


重ねてみると割と差がある様な気がしないでもないですね(´・ω・)