梁理論 その5

前回に引き続き,今回は【先端荷重を受ける片持ち梁】を"Timoshenkoの梁理論"を使って解いてみます
エネルギー原理 その6と同じ問題です)

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ここで E, G, I, A, κ は一定とします
beam theory5.wxm

P, L : 先端荷重,梁の長さ
E, I : ヤング率と断面2次モーメント
%i1で,たわみyとたわみ角aが位置xに依存することを宣言します(画面出力は省略)
梁の先端からxの位置における曲げモーメントMとせん断力Qを%o2および%o3式にそれぞれ示します
梁理論より,%o4式が成り立ちます
ode2関数を使ってこの1階の常微分方程式を解きます(%o5)
ic2関数を使って境界条件(x=L→a=0)を与え,積分定数%cを解いた結果を%o6式に示します



G, A : 横弾性係数と断面積
κ : せん断補正係数
梁理論より,%o7式が成り立ちます
上式に%o6式を代入して dy/dx について解いた結果を%o9式に示します
ode2関数を使ってこの1階の常微分方程式を解きます(%o10)
ic2関数を使って境界条件(x=L→y=0)を与え,積分定数%cを解いた結果を%o12式に示します
先端(x = 0)におけるたわみ(%o13)では,右辺第2項がせん断変形を表します



U : 任意断面の歪エネルギー
U[total] : 梁全体の歪エネルギー
%o6式でaが,%o12式でyが求まりましたので,n = da/dx,r = dy/dx - a をそれぞれ計算します(%o14, 15)
位置xの断面における歪エネルギーUを求めます(%o16)
上式を梁の長さにわたって積分した結果をU[total]として%o18式に示します


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パラメータに適当な値(P=1, L=1, E=1, I=1, A=1, κ=1)を入れてグラフを描いてみます(%o19〜24)(画面出力は省略)
MおよびQの分布図については前回とまったく同様のため説明を割愛します(´・ω・`)
たわみyがGを含んだ表現になっていることが解ります(%o26)
Gを100とした時のyを青線,10を赤線,1を紫線として,分布図を%t30に合わせてプロットします


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aはGに依存しません(%34)
同様に,Gを100とした時のたわみ角dy/dxを青線,10を赤線,1を紫線として,分布図を%t35に合わせてプロットします
また比較のため,aを黄線として含めています

  • せん断剛性が曲げ剛性に比較して非常に大きい場合(G = 100),前回の単純曲げ変形とほぼ一致します
  • G = 100→10→1とせん断剛性が小さくなると,せん断変形は大きく付加されます
  • せん断力は一定のため,付加されるせん断たわみ角は一定・せん断たわみは線形分布となります