梁理論 その6
久しぶりに更新しますが,梁理論のお話が続きます(´・ω・`)
今回は"Timoshenkoの梁理論"でほとんど説明しなかったκ(せん断補正係数)のお話です
G.R.Cowperの論文"The Shear Coefficient in Timoshenko's Beam Theory"の内容をフォローします
座標系はテキストに合わせて梁断面の深さ方向,幅方向,梁長さ方向をそれぞれx, y, zとします
対象とする梁は線形等方性弾性体,断面は2a*2bの矩形断面とします
beam theory6.wxm
κ : せん断補正係数
ν : ポアソン比
Timoshenkoの梁理論と3次元弾性論より,κは%o1式で与えられます
断面積Aの定義を%o2式に,積分計算の結果を%o3式に示します
y軸まわりの断面2次モーメントIの定義を%o4式に,積分計算の結果を%o5式に示します
x軸まわりの断面2次モーメントI1の定義を%o6式に,積分計算の結果を%o7式に示します
矩形断面の境界条件を満足する調和関数χはLoveにより%o8式で与えられます
上式は m = inf とする所ですが,ここでは m = 1 として計算を進めます(%o9)
νに適当な値(0.3)を入れてχを%t11にプロットします(x, yはそれぞれ無次元化しています)
%o9式を%o1式に代入してまとめた結果を%o12式に示します
κが矩形断面の寸法やアスペクト比に依存せず,材料特性であるνのみの関数となっていることが解ります
- ν= 0 とした場合,κ = 5/6 となり,Roarkの値と一致します(%o13)
- ν= 0.3 とした場合,κ ≒ 0.85 となります(%o14)
- ν= 1/2 とした場合,κ = 6/7 となり,Goodmanの値と一致します(%o15)