曲率と曲率半径 その3

曲率の話が続きます
今回は曲率の計算を,曲線→曲面に拡張してみたいと思います
微分幾何学の話には極力触れず,計算の流れだけ紹介します

  • 空間における曲面z(x, y)について考えます
  • 例によって絵は描きません('A`)

curvature3.wxm

%i1にてトレースの計算のためパッケージ"nchrpl"をロードします(画面出力は省略)
%i2にてzがx, yに依存することを宣言します(画面出力は省略)
%i3にてベクトル同士の外積を返す関数crossを定義します(画面出力は省略)
%i4にてベクトルのノルムを返す関数normを定義します(画面出力は省略)
今,曲面上の任意の位置ベクトルをfとして%o5式にて定義します
fに対するx, yの偏微分をfx, fy, fxx, fxy, fyyとしてそれぞれ%o6〜%o10式に示します



唐突ですが,fx, fyを用いてマトリックスXを%o11式で定義します
曲面の法線ベクトルをfxとfyの外積で定義します(%o12)
これを正規化した単位法線ベクトル n を%o13式に示します
fxx, fxy, fyy, n を用いてマトリックスYを%o14式で定義します


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20111226/20111226200324.png
X, Y を用いて計算したマトリックスAを%o15式に示します
Aの固有値問題における固有値は主曲率(principal curvature)を与えます
(主曲率は2つで,最大値をk1,最小値をk2とします)


【平均曲率】

H = (k1+k2)/2 を平均曲率(mean curvature)と呼びます
ということでtr(A)/2を計算した結果を%o16式に示します
ここで∂z/∂x, ∂z/∂y が十分に小さく,2次の項が無視できるとすると%o17式を得ます


ガウス曲率】

K = k1*k2 をガウス曲率(Gaussian curvature)と呼びます
ということでdet(A)を計算した結果を%o18式に示します
ここで∂z/∂x, ∂z/∂y が十分に小さく,2次の項が無視できるとすると%o19式を得ます