単純せん断変形の変形速度 その1

久田俊明著「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」104頁の例題【3.25】を解いてみます
これは単純せん断(simple shear)変形におけるD, W, ΩおよびW-Ωを比較せよ,というものです
ch3-2_3-25-1.wxm

F : 変形勾配テンソル
%i1は変位uおよび回転角βが時刻tに依存するという宣言です
いま,%o2式に示すような任意のFについて考えます
Rがなんでこんな形になるのかは"単純せん断変形の右極分解"を参照ください



L : 速度勾配テンソル
D : 変形速度テンソル
W : スピンテンソル
定義より,L, D, Wを計算した結果をそれそれ%o4, %o5, %o6式に示します



Ω : 剛体スピン
uとβの関係式を%o7式に示します
これをtで微分したものを%o8式に示します
%o9式は剛体スピン(rigid spin)と呼ばれ,基準配置から剛体回転Rによる現時刻tでの物質点のスピンを表します
WとΩの差を%o10式に示します



W, W-Ω, Ωの1行2列の成分をそれぞれ%o11, %o12, %o13式に示します
横軸にβ,縦軸に上式をdβ/dtで除したものをそれぞれ%t14にプロットします


非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎

非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎