主不変量 その1

主不変量についてはMisesの降伏条件とMises応力のとこでも少し触れましたが,ここで説明しておきます('A`)

principal invariant.wxm
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20130620/20130620230221.png
λ : Xの固有値
I : 単位テンソル
いま,%o2式に示すような任意のテンソルXについて考えます
Xの固有値問題を解く際に,意味のある解を持つための条件は%o4式で与えられます
この式は特性方程式(characteristic equation)と呼ばれ,λに関する3次方程式となります
特性方程式の左辺をλについて展開したものを%o5式に示します



%o5式の3次以外の各項の係数をそれぞれ%o6, %o7, %o8式に示します
これらは1次,2次,3次の主不変量(principal invariant)と呼ばれます
主不変量は計量する座標系の変換に依存しないので,観測枠不依存な記述が求められるもの
例えば降伏条件や構成式(constitutive equation)等に使われたりします


追記

%i9式で任意のテンソルに対するトレース(trace)を返す関数を定義します

  • %o10式より明らかですが,tr(X)はXの1次の主不変量に相当します
  • 2次の主不変量はトレースを用いて%o11式でも与えられます
  • %o12式より明らかですが,det(X)はXの3次の主不変量に相当します


追記
Package nchrplをロードすることで,特性方程式とトレースを計算する関数が使えます

  • load("nchrpl");(Package nchrplをロード)
  • ncharpoly(X, λ);(Xのλに関する特性方程式を計算)
  • mattrace(X);(Xのトレースを計算)