梁要素の要素剛性マトリックス

平面梁要素の要素剛性マトリックスの導出についてのお話です
単純梁理論が成り立つことを前提とします
単純梁理論とは何か?という難しい話には全く触れず,導出の流れだけ紹介します

  • 梁要素は2節点で構成され,便宜上左端をi節点,右端をj節点とします
  • 要素座標系は要素長方向にx, 直交方向にy(それぞれi端を0), 回転方向にθ[rad](左回りに+)とします
  • E, A, Iは要素内で一定とします
  • 例によって絵は描きません('A`)

beam element.wxm

L : 要素長さ
圧縮・引張変形についてはトラス要素と同じなので導出の過程は割愛します(%o1)



v : y方向変位(v[i], v[j]はそれぞれi端, j端の変位)
θ : 回転方向変位(th[i], th[j]はそれぞれi端, j端の変位)
s : 形状関数
曲げ変形について,変位vを%o3式で仮定します
vから回転角θを与えます(%o4)
i端,j端における境界条件をそれぞれ%o5〜%o8に示します
v, θをv[i], v[j], th[i], th[j]について括った係数マトリックスを形状関数として%o10式に示します
(%o9のinverseはc[0]〜c[3]について解くことと同義です)



B : Bマトリックス(歪-変位マトリックス
ke : 要素座標系における要素剛性マトリックス
形状関数より計算したBマトリックスを%o11式に示します
B^T.E.Bを梁要素内で積分します(%o12式)


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%o1式と%o12式をまとめたものを梁要素の要素剛性マトリックスとして%o14式に示します
(1節点につき並進2+回転1自由度 x 2節点なので6 x 6の正方行列となります)


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20110614/20110614232146.png
R : 要素座標系→全体座標系の剛体回転
Ke : 全体座標系における要素剛性マトリックス
全体座標系から計量した要素座標系の回転角を反時計回りにr[rad]とし,剛体回転を%o15式に示します
剛体回転がなぜこのような形になるかは剛体回転による座標変換を参照下さい
剛体回転を用いて座標変換されたkeをKeとして%o16式に示します