ポアソン比

物を引張ったとき,引張った方向の歪と直交方向の歪との比をポアソン比(Poisson's ratio)と呼びます
すごく材料力学です・・・


一辺の長さがLの立方体について考えます
poisson.wxm

u : 1軸方向の変位
ν : ポアソン
%o3にてL > 0 と仮定します(画面出力は省略)
1軸方向にuだけ変位させます(%o4)
直交する2, 3軸方向の変位はポアソン比νの定義より%o5式で表されます
変形前の体積V0は%o7式となります
変形後の体積Vは%o8式となります
1軸方向の公称歪 u/L を x として上式を%o9式に書き換えます


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20111216/20111216190544.png
体積変化率を1とした場合,νは%o10式の形で与えられます
縦軸にν,横軸にxとして%t11にプロットします
パッと見では判りませんが,x = 0 でC0不連続となってるので+側から x = 0 の極値を%o12式に示します


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体積変化率を1.001とした場合,νは%o13式の形で与えられます
縦軸にν,横軸にxとして%t14にプロットします
νの停留条件を%o15式に示します
find_root関数を使って上式の解を探索します(%o16)
このときのνを%o17式に示します


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/ryooji_f/20111216/20111216190542.png
同様に,体積変化率を1.01とした場合のνを%o22式に示します


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同様に,体積変化率を1.05とした場合のνを%o27式に示します



変形後も立方体の形を保持するとした場合の体積をVcとします(%o28)
V = Vc が成り立つとした場合のνを%o30式に示します


以上から,ポアソン比νの取り得る範囲は -1 ≦ ν ≦ 0.5 となります


追記
ポアソン比が負になる物質の例として,クリストバライト(SiO2)が挙げられます