梁理論 その3

ちょっと間が開いてしまいましたが,前回に引き続き梁理論のお話です

"Timoshenkoの梁理論"の導出の際,式の簡素化を優先するために n = da/dx として書き換えました(%o16)
これは"Bernoulli-Eulerの梁理論"の%o18式で用いた n = d2y/dx2 とは異なります
では後者のnを用いた場合,"Timoshenkoの梁理論"の与式がどのように変形されるのかを確認してみます
beam theory3.wxm

a : 断面のたわみ角
前回用いたnおよびrをそのまま%o1および%o2式として示します
%o2式をa(x)について解いた結果を%o3式として示します



G : 横弾性係数
A : 断面積
κ : せん断補正係数
せん断に関する構成式より%o4式を与えます
せん断応力τとせん断力Qには%o5式の関係が成り立ちます
%o4式に%o5式を代入してまとめます(%o6)
%o3式に%o6式を代入してまとめた結果を%o7式として示します



E : ヤング率
I : 断面2次モーメント
曲げモーメントMについて%o8式の関係が成り立ちます
せん断力QはMを一回微分した%o9式として与えられます
上式を用いて%o7式を書き換えます(%o10)
よってa(x)とy(x)の間には2階の常微分方程式が成り立ちます
右辺第二項の E*I/(G*A) はせん断剛性と曲げ剛性の比を表します
今対象となる梁がせん断変形をしない(G→∞)とすると a = dy/dx となり, n = d2y/dx2 が成り立ちます



U : 任意断面の歪エネルギー
前回用いたUをそのまま%o12式として示します
%o1, %o2式を代入します(%o13)
上式に%o10式を代入してまとめた結果を%o15式として示します
d2y/dx2 を n として書き換えます(%o16)
同様に,G→∞とすると"Bernoulli-Eulerの梁理論"の%o18式に一致することが解ります(%o17)


追記

%c : 積分定数
%o10式の常微分方程式を,ode2関数を使って y(x) について解いた結果を%o18式に示します
曲げモーメントMがxの関数として与えられると%o8式より a(x) が,梁の境界条件と上式の積分計算から y(x) がそれぞれ求まります