相対性理論 その3

前回に引き続き,内山龍雄訳・解説「相対性理論」(岩波文庫)138頁の解説をフォローします
(入力行頭の式番号はテキストに合わせています)
special relativity2.wxm

K'系の時計はK'系から見ればすべて合っているため,%o24式が成り立ちます
図7より,光がDからEに行くのに要する時間tEは%o25式を満足します
またEからDに帰る際の所要時間(tD-tE)も同様の関係(%o26)を満足します
%o25式をtEについて解いた結果を%o27式に示します
%o26式をtDについて解いた結果から%o28式を得ます
上2式より%o29式が成り立ちます
%o27, %o29式より%o30式が成り立ちます
%o19式を時計DおよびEの時刻について書き直します(%o31,32)
上2式を用いて%o32式を書き換えると%o33式を得ます


つぎにl1とlの関係について考えます

光は距離l1を走るのに時間がt'Eかかりました(%o34)
そこで%o39式を用いてこれを書き換えます(%o35)
ここで,時計DがK'系の親時計であることに留意して,%o29〜31式を使って%o36式に書き換えます
l1はK'系から見た時計EのY'座標なので,これをy'と書き直します(%o37)
ここでa(v)は,aが速さvのみに依存する量であることを示します
同様に,K'系からK''系の座標変換は%o38式で表されます
これを%o37式で書き直します(%o39)
ここでK''系はK系と同一の慣性系であることから%o40式となります
これをa(v)について解くと%o41式を得ます
もう一方の解(%o42)でも%o40式は成り立ちますが,§2よりaはマイナスには成り得ないためこれは不適となります



ようやくaの具体的な形が解りましたので%o14, 23, 37式を%o41式で書き換えます(%o44〜46)
またZ座標についてもY座標とまったく同様に成り立ちます(%o47)
%o44〜47式をローレンツ変換(Lorentz transformation)と呼びます
%o44,45式の形がテキストと若干違いますが,まぁそれはそれとして('A`)


相対性理論 (岩波文庫)

相対性理論 (岩波文庫)