エネルギー原理 その1 (変位法)

エネルギー原理(energy principle)のお話です
エネルギー原理とは何か?という難しい話は他の有用なサイトや書籍に譲るとして,ここでは簡単な例題にいくつかの解法を適用して比較してみたいと思います

  • 両端固定で長さLの一様断面な棒を考えます
  • 棒の中央に軸方向力Pが作用します
  • 座標軸は棒の長さ方向にx,左端を原点とします
  • 左半分を要素a,右半分を要素bとします
  • 例によって絵は描きません

まずは変位法(displacement method)を使って解いてみます

energy principle1.wxm

ua, ub : 要素a, bの変位
ε[a], ε[b] : 要素a, bの歪
N[a], N[b] : 要素a, bの軸力
%i1のglobalsolve : true$は方程式を解いた際に解を変数に代入させるための宣言です(defaultはfalse)
%o2, %o3でそれぞれ要素a, bの変位をxの関数として定義します
各要素の変位をxで微分して計算した歪をそれぞれ%o4, %o5式に示します
歪‐軸力関係より各要素の軸力をそれぞれ%o6, %o7式に示します



(幾何学的)境界条件を%o8, %o9式に示します
z = L/2における変位の連続条件を%o10式に示します
z = L/2における平衡条件式を%o11式に示します
%o8〜%o11式を連立方程式としてCa[0], Ca[1], Cb[0], Cb[1]について解いた結果を%o12式に示します
(solveの結果が":"なのは結果を変数に代入したことを表します(通常は"="))



変位法は変位uを独立な未知量とし,ε, Nはuの従属量であると考えます
%o12式の解からuが求まり(%o13,14),これによってε, Nが求まります(%o15〜18)


追記
%o2, %o3で変位をxの1次関数で定義しています
これは例題が与える平衡方程式(equilibrium equation)を満足する解がxの1次関数となるからです
問題が変わればそれに応じた適切な関数を使いましょう('A`)