変形勾配の極分解

変形勾配テンソルの極分解(polar decomposition)についてのお話です
polar decomposition.wxm

F : 変形勾配テンソル
いま上のような具体的な変形勾配テンソルを考えます
例によって絵は描かないのでこれがどんな変形を表すのかはぼんやりイメージして下さい(´・ω・`)



C : 右Cauchy-Green変形テンソル
U : 右ストレッチテンソル
R : 剛体回転

まず右極分解(right polar decomposition)です
%o5式よりFがRとUに分解できることが解ります
Uでe[1]軸方向に2倍に引伸ばされた後,Rでe[3]軸まわりにπ/2[rad]剛体回転されるイメージです



B : 左Cauchy-Green変形テンソル
V : 左ストレッチテンソル

次に左極分解(left polar decomposition)です
%o9式よりFがVとRに分解できることが解ります
Rでe[1]→e[2]に剛体回転の後,Vでe[2]軸方向に2倍に引伸ばされるイメージです


変形勾配を剛体回転とストレッチテンソルに分解する際,その順番の違いでストレッチテンソルの中身が変わることに注意してください
歪は剛体回転に対して不変なため,歪テンソルの計算に必要なのはストレッチテンソル
あるいは変形テンソルのみとなります